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第9章 陰茎と包皮の基本 ― 大きさの幅・包茎・洗い方・形

⏱ 読む時間の目安:約5分

大きさ、皮のかぶり方、形。人と比べにくい場所だからこそ、ひとりで悩みをふくらませてしまう方が多いんです。この章では、研究で分かっている「ふつうの幅」と、毎日のお手入れ、相談したほうがよいサインを、順番に確かめていきましょうね。

大きさは、平均の近くにほとんどの人が集まる

陰茎の大きさについては、医療者が決まった方法で測った研究が、世界中にあります。英国の研究チームは、そうした研究をまとめ直して、最大で1万5千人あまりの測定結果を整理しました(Veale ら, 2015)。対象は、陰茎の病気や手術歴がなく、大きさの悩みや勃起の悩みで受診したのではない男性です。

勃起したときの長さは、ばらつき(標準偏差)が約1.7cmでした。この数字から計算すると、およそ3人に2人が約11.5〜14.8cmに、およそ95%の人が約9.8〜16.4cmに入ります。ほとんどの人が、平均のまわりの狭い範囲に集まっているんですね。なお、研究者は限界も書いています。勃起したときの測定は人数が少なく、医療の場で測ったものはさらに少ない、という点です。

勃起したときの長さの幅 平均 13.1 8 10 12 14 16 18 目盛りの単位はcm 約3人に2人(11.5〜14.8) 約95%(9.8〜16.4)
医療者が測った692人の平均と標準偏差(13.12cm、1.66cm)から、ふつうの分布になると考えて計算した範囲です(Veale ら, 2015 をもとに作図)。

「気にしすぎ」が起きやすいわけ

アメリカでインターネットを使って、男女5万2千人あまりに尋ねた調査があります。自分の大きさに満足していた男性は55%でした。一方、パートナーの大きさに満足していた女性は85%でした(Lever ら, 2006)。本人が思うほど、相手は気にしていないことが多いのかもしれません。ただし、これは自分で答えるアンケートで、測った数字ではありません。対象も、異性愛の男女に限られています。

また、Veale らの研究では、長さと最もはっきり関係していたのは身長でした。それでも関係の強さはほどほどで、体格から大きさは決めつけられません。大きさが気になって、人と温泉に入れない、親しくなるのを避けてしまう、というほど悩みが続くときは、ひとりで抱えずに泌尿器科や心療内科に相談してみてくださいね。

包茎の3つのタイプと、受診のめやす

陰茎の先の部分(亀頭)を包む皮を、包皮といいます。包皮のかぶり方によって、日本ではおもに3つに分けて説明されています(東京国際大堀病院)。

英国のNHSは、包皮がきつくても、痛みや出血などの問題がなければ、ふつうは困らないとしています。そのうえで、次のときは受診をすすめています。包皮が腫れたり痛んだりする。出血や、包皮の下から濃い分泌物や嫌なにおいがある。おしっこのときに痛い、出にくい。勃起すると痛い。そして、むいた皮が戻らなくなったときは、すぐに救急を受診すべき状態だとしています。

大切なのは、きつい皮を無理にむかないこと、そしてむいたら必ず元に戻すことです。

恥垢と、毎日の洗い方

包皮の内側にたまる白っぽい垢を、恥垢(ちこう)といいます。包皮の中は汚れがたまりやすい場所です。NHSは、きちんと洗えていないことを、亀頭が赤く腫れてかゆくなる炎症(亀頭包皮炎)の原因のひとつに挙げています。この炎症では、嫌なにおいや、包皮の下からの濃い分泌物が出ることもあります。

赤みやかゆみがあるときは、石けんを使わず、ぬるま湯だけで洗うようNHSはすすめています。洗う時間は、しこりや腫れがないかを見る、よい機会にもなりますよ。

形や曲がりの幅と、ペロニー病のめやす

形にも、大きな個人差があります。NHSは、陰茎の大きさや形はさまざまで、勃起したときに少し曲がっているのは自然なこともある、としています。生まれつきのゆるやかな曲がりなら、心配はいりません。

一方で、陰茎の中に硬いしこりができて、勃起すると曲がる病気があります。これをペロニー病といいます。おもに40歳以上に多いものの、若い人にも起こります。NHSは、次のようなときに受診をすすめています。

軽ければ治療がいらないこともありますが、痛みや悩みが大きいときは治療の方法があります。恥ずかしがらずに、泌尿器科で相談してくださいね。

むいた包皮が戻らず、亀頭が腫れて痛むときは、すぐに治療が必要な状態です。夜でも救急外来を受診してください。包皮の腫れや痛み、出血、おしっこのしにくさ、陰茎のしこりや急な曲がりも、泌尿器科で相談するサインです。相談先に迷ったら第6章を見てくださいね。

大きさも形も、顔と同じで一人ひとり違うもの。ほとんどの人が「ふつうの幅」の中にいるんですよ。比べることより、清潔に保って、変化に気づけることのほうが、ずっと大切な修行なんです。

修行のお題 今夜のお風呂で、ぬるま湯だけでやさしく洗い、包皮を元に戻すところまでを、ていねいに1回やってみましょう。そのとき、しこりや赤み、痛みがないかも、そっと確かめてみてくださいね。

参考にした資料

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