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オナニーの達人 仙人がやさしく教える、からだの練習帳

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第3章 しっかり届くための練習

⏱ 読む時間の目安:約4分

ここからは「修行」の段なんだ。修行といっても、つらい鍛錬ではないよ。自分の体の反応をていねいに見ていって、心地よさが育つ条件を見つけていく練習だと思ってほしい。

まずは反応を観察する

最初からクリトリスの先端をねらわなくていい。太ももの内側、ふっくらした丘(恥丘)、外側のひだ(大陰唇)のあたりをゆっくりなでよう。どこでどんな感じがするかを確かめるんだ。慣れてきたら、先端をおおう皮膚のフード(包皮)の上から、クリトリスのまわりを軽く押したり、なでたりしてみる。先端に直接触れると強すぎると感じる人もいれば、それが心地よい人もいるんだ。

第1章で紹介した全国調査でも、好みは人によってさまざまだった。触れる場所、押す強さ(圧)、動きの形、パターンのどれもそうだ(Herbenick ら, 2018)。研究の紹介記事によると、回答者の約4割は好きなやり方を1種類だけ挙げていた。研究者は、まだ試していないやり方の中に好みが見つかるかもしれない、という見方も示している。

3つのつまみ:圧・リズム・範囲

刺激の変え方は、ラジオのつまみのように3つに分けて考えると整理しやすい。

コツは、一度に変えるつまみを1つだけにすること。何が心地よさを生んだのか、分かりやすくなるからね。そして「これはいい」と感じたら、あわてて変えずに、同じ刺激をしばらく続けてみよう。高まりかけたところで変えてしまうと、また最初から登り直しになることがあるんだ。

焦らずに高めていく

高まりは一直線ではなく、波のように上がったり下がったりする。途中で少し下がっても失敗ではないよ。5万人以上の大人を対象にしたアメリカの調査がある。オーガズムの回数が多い女性ほど、いちばん最近の性行為の時間が長かったと報告されている(Frederick ら, 2018)。

この調査はパートナーとの性行為についてのものだ。時間が長かったから届いたのか、という原因と結果のつながり(因果関係)までは分からない。それでも「時間をかけていい」と考える材料のひとつにはなるね。

呼吸と力の抜き方

高まってくると、息を止めたり、肩やお尻に力が入ったりしやすい。高まりにともなって筋肉に力が入るのは、自然なことでもある。だから、力が入ること自体を悪いと思わなくていい。ただ、歯を食いしばるほど力んでいると、感覚よりも「がんばること」に気持ちが向いてしまう。ときどき長く息を吐いて、肩とあごの力を抜いてみよう。力を抜いたほうが高まる人も、少し力が入ったほうが高まる人もいる。どちらが合うかは、試してみないと分からないんだ。

息を止めてがんばるより、長く吐いて、体にゆだねてみよう。心地よさは、追いかけるより迎えに行くくらいがちょうどいいんだ。

骨盤底筋の話

おしりの下の筋肉のハンモック(骨盤底筋)は、骨盤の底でぼうこうや子宮を支えている筋肉のグループだ。腟のまわりも囲んでいる(iroha の記事、理学療法士監修)。オーガズムのときにリズミカルにきゅっと縮むのも、このあたりの筋肉なんだ。

病院が紹介しているトレーニングの一例は次のとおり(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院)。

では、これで届きやすくなるのだろうか。くじ引きのようにグループを分けて比べた研究(ランダム化比較試験)を、21件集めて見直した研究(系統的レビュー)がある。そのうち4件をまとめた分析では、興奮やオーガズムなどの点数がよくなっていた。ただし研究ごとの条件のばらつきが大きく、根拠の確かさは「非常に低い」と評価されている。対象の多くは、骨盤の底の不調がある女性だった(Jorge ら, 2024)。

つまり「試す価値はあるかもしれないが、届くようになるとは言い切れない」というのが今の到達点なんだ。尿もれの予防など、ほかの目的でもすすめられている体操なので、気楽に続けるくらいがちょうどいい。痛みが出たらやめて、婦人科や、女性の尿の悩みを診る科(女性泌尿器科)で相談しよう。

修行のお題 圧だけを「軽い・中くらい・しっかり」の3通りに変えて、同じ場所、同じリズムで1分ずつ試してみよう。終わったら心地よかった順に並べてメモしておこう。次の回は、リズムで同じことをしてみてね。

参考にした資料

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