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第4章 やめたい癖と直し方 ― 強すぎる握り・床オナ・足ピン

⏱ 読む時間の目安:約5分

長く続けてきたやり方には、知らないうちに癖がついているものなんです。癖があるのは、あなたがだめだからではありませんよ。気づけたなら、そこからが本当の修行の始まり。少しずつ、からだに新しい道を覚えてもらいましょう。

「ひとりなら届くのに、ふたりだと届かない」という悩み

自慰では射精できるのに、パートナーとの性交では、腟の中で射精できない。この状態を「腟内射精障害」といいます。泌尿器科の解説では、原因の半分以上が、若いころから続けてきた、からだに合わないマスターベーションの習慣だとされています。TENGAヘルスケアは、国内でこの状態の疑いがある人を約270万人と見積もっています。そして、原因の約7割が合わないやり方によるものだと発表しています(メーカーの発表による数字です)。子どもがなかなかできない悩み(不妊)の相談の中で見つかることも多い悩みです。

海外でも、同じことが指摘されています。射精が遅い・できない男性の多くは、独特の自慰のやり方をしていると報告されています。パートナーの手や口、腟では再現しにくいやり方です(Perelman, 2016)。原因はほかにもあります。心の問題、糖尿病などの病気、気分の落ちこみを治す薬(抗うつ薬)の一部の影響などです。原因をひとつに決めつけられない点には、注意が必要です(Abdel-Hamid ら, 2018)。

見直したい主な癖

床オナは、腟内射精障害だけでなく、勃起の悩みにもつながることがある、と説明する医療機関もあります。ただ、勃起との関係を示す根拠は、腟内射精障害との関係ほど十分ではありません。情報源によって、書き方に差があります。

段階的に直す:強い刺激から、少しずつやさしい刺激へ

直し方の基本は、いきなり全部を変えないことです。刺激の強さを、一段ずつ下げていきます。国内の泌尿器科では、「射精の練習(射精リハビリテーション)」が行われています。固さの違うマスターベーション補助具を使い、強い刺激から弱い刺激へ、段階的に慣らしていく方法です。腟内射精障害の16人がこの方法に取り組んだ報告があります。12人(75%)が補助具の中で射精できるようになり、5人(31%)がパートナーとの間で射精できるようになりました(Kobori ら, 2012)。一方で、半数以上は、パートナーとの射精までは届いていません。比べるグループのない、少人数の報告であることも、正直にお伝えしておきますね。

射精の練習をした16人のその後棒の長さの目盛りは0〜16人補助具の中で射精できた12人(75%)パートナーとの間で射精できた5人(31%)
出典:Kobori ら(2012)。腟内射精障害の男性16人。比べるグループのない、少人数の報告です。

ひとりで取り組むときの目安は、次のとおりです。

変わるまでには、何週間から何か月かかかるのがふつうです。1回ごとの結果より、「前より一段やさしい刺激で近くまで行けた」という変化を見てあげてください。

回数を減らしたほうがよい?

この点は、情報源によって考え方が分かれます。射精の遅さに悩む人の治療では、しばらく自慰を休む・減らすことが、よくすすめられています(Perelman, 2016)。一方で、一般向けの健康情報では「回数に正しい数はない」と説明されることが多いです。困りごとがない人は、回数を気にしすぎなくて大丈夫です。パートナーとの間で届きにくいと感じている人は、回数を少し減らして、一回一回をていねいにする。そう考えるとよいでしょう。

パートナーとの間で届かない状態が続く、子どもを望んでいるのに射精できない。そんなときは、ひとりで抱えこまず、泌尿器科に相談してください。男性不妊やメンズヘルスを扱うところがおすすめです。カウンセリングや、医師の指導のもとでのリハビリテーションを受けられる施設があります(第6章)。

長年の癖は、長年かけてできたもの。すぐに消えなくて当たり前なんですよ。昨日のあなたより、ほんの少しやさしい刺激で届けたなら、それはもう立派な一歩です。

修行のお題 この1週間、自分の癖を1つだけ選んで(握る力、姿勢、足の突っ張りなど)、それだけを変えてみましょう。毎回、その癖が「出た・少し出た・出なかった」を3択で記録し、1週間後に並べて眺めてみてくださいね。

参考にした資料

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