18歳未満の方は閲覧できません

このサイトは成人向けの性の健康の情報と、商品の紹介を含みます。

18歳未満です(退出)
オナニーの達人 仙人がやさしく教える、からだの練習帳

当サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。紹介している商品のリンクから購入されると、運営者に報酬が支払われることがあります。医療の診断に代わるものではありません。

← コラム一覧

60代からの性の健康

⏱ 読む時間の目安:約6分

60代は、退職や子どもの独立、親の介護など、暮らしの形が大きく変わる年代です。ふたりで過ごす時間が急に増えたり、逆にひとりの時間が増えたりします。持病や飲む薬が増えはじめる時期でもあります。生活の変化に合わせて、性との付き合い方も組み立て直してみましょう。

この年代のからだの変化

米国の57〜85歳、約3,000人を調べた全国調査があります。過去1年に性の活動をしていたのは、57〜64歳の73%、65〜74歳の53%でした。性の活動がある人の約半数が、何かしらの悩みを抱えていました。女性では関心の低下(43%)、うるおいの不足(39%)、オーガズムに達しにくい(34%)、男性では勃起の悩み(37%)が多くみられました(Lindau ら, 2007)。2005〜06年の米国で、本人が答えたデータ(自己申告)です。それでも、「悩みがあるのは珍しくない」ことがわかります。

性の活動がある人の悩み悩みごとに、そう答えた人の割合女性:関心が下がった43%女性:うるおいが足りない39%女性:オーガズムに達しにくい34%男性:勃起の悩み37%
出典:Lindau ら(2007)。アメリカの57〜85歳、約3,000人(2005〜06年)。本人が答えた調査です。複数の悩みを挙げた人もいます。

女性:月経が終わって(閉経)から年数がたつと、腟や、その外側の部分(外陰部)の乾燥や、尿のトラブルが続きやすくなります。刺激を受けてから体が反応するまでの時間も、長くなりがちです。男性:勃起の硬さや続く時間が変わります。射精までに時間がかかったり、射精の量が減ったりします。

眠りも関係します。英国には、50歳以上の同じ人たちを長く追いかける調査(縦断調査・ELSA)があります。そのデータでは、眠りの乱れがある人ほど、この1年で性の活動や働きが落ちたと感じ、悩みも多い傾向がありました。女性では、腟の痛みや乾燥との関係もみられました(Lee ら, 2019)。ある時点で本人が答えた内容の分析なので、どちらが原因かまではわかりません。

ひとりの時間(オナニー)

欧州4か国の60〜75歳、約3,800人の調査があります。過去1か月に、ひとりでする性の行為(マスターベーション)をした人は、男性で41〜65%、女性で27〜40%でした。「性は高齢の人にとってもよいもの」と考える人ほど多く、否定的な考えが強い人ほど少ない傾向でした(Fischer ら, 2022)。ある時点で本人が答えた調査で、国による差も大きい点には注意が必要です。ひとりの時間は、お金もかからず、相手の体調を気づかう必要もありません。安全な楽しみ方の一つです。

ふたりの時間

退職後は、一緒にいる時間が増えるぶん、すれ違いも目に入りやすくなります。性の話は、日々の会話の続きとして始めると、切り出しやすくなります。

英国のELSAのデータでは、過去1年に性の活動があった人は、なかった人より「人生を楽しめている」という得点が高めでした。女性では、キスやなでるといったふれあいが多いほど得点が高く、性交の回数とは関係がみられませんでした(Smith ら, 2019)。ある時点の調査なので、ふれあうから楽しいのか、楽しいからふれあうのかは区別できません。それでも、挿入だけが性ではないことがわかる結果です。

これは、男女のカップルにも同性のカップルにも通じます。パートナーと別れた人、亡くした人、新しい相手と出会う人もいるでしょう。新しい関係では、始める前に、お互いがこれまでに受けた検査のこと(検査歴)を話しましょう。そしてコンドームを使うことが、年齢に関係なく大切です。

病気や薬との付き合い方

心臓の病気:米国心臓協会の声明によると、性の活動の体への負担は、階段を2階分上ったり、早足で歩いたりするくらい(3〜4メッツ)です。メッツは、体を動かす強さを表す目安です。3〜5メッツの運動で胸の痛みや強い息切れが出ない人は、性の活動で問題が起きる危険は低いとされています(Levine ら, 2012)。ただし、その根拠の多くは、若い〜中年の健康な男性の研究です。すべての人にそのまま当てはまるわけではありません。心臓の病気がある人は、再開の前に、心臓を診る循環器内科で相談しましょう。

前立腺の病気:ぼうこうの下にある男性の器官(前立腺)が大きくなる病気(前立腺肥大症)の薬の中には、射精に影響するものがあります(日本性機能学会・日本泌尿器科学会, 2018)。前立腺がんの手術や放射線、男性ホルモンの働きをおさえる治療(ホルモン療法)のあとは、勃起や射精、気持ちに大きな変化が出ることがあります。国際的な指針は、治療の前から医療者が性の話を始め、パートナーも含めて体・心・関係の回復を支えることを勧めています(Wittmann ら, 2022)。ただし、ひとつひとつの方法を支える研究の強さには、ばらつきがあります。

糖尿病・高血圧:血管や神経が傷みやすく、勃起やうるおい、感じ方に影響します。血圧の薬や、うつ病などに使う薬(抗うつ薬)が影響することもあります。自分の判断で減らしたりやめたりせず、処方した医師に相談しましょう。

勃起の悩み(ED)の治療薬は、医師の処方が必要です。硝酸薬(胸がしめつけられるような心臓の病気=狭心症の薬)とは、一緒に使えません。持病や飲んでいる薬によっては、使えないこともあります。腟に使うエストロゲンの薬(腟のエストロゲン製剤)や、減ったホルモンをおぎなう治療(ホルモン補充療法)も医師の処方が必要で、持病によっては使えないことがあります。性の活動中に胸の痛み、強い息切れ、めまいが出たら、すぐに止めて受診してください。

相談先は、男性は泌尿器科、女性は婦人科、心臓のことは循環器内科、がんの治療後は主治医やがん相談支援センターです。同じ米国の調査で、50歳以降に医師と性について話したことがある人は、男性38%、女性22%にとどまっていました(Lindau ら, 2007)。聞くことは、恥ずかしいことではありません。

この年代へのひとこと

生活が変わる60代は、ふたりの関係やひとりの時間を「自分たちのやり方」に作り直せる時期でもあります。病気や薬があっても、相談しながら続けている人はたくさんいます。

この年代のお題次の受診のとき、「飲んでいる薬の中に、性の働きに影響するものはありますか」と一つだけ聞いてみましょう。

参考にした資料

📜 オナニー道の心得📓 記録アプリ「修行帳」