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40代からのオナニー道(女性編)

⏱ 読む時間の目安:約7分

40代から50代にかけて、多くの女性が更年期をむかえます。からだが変わる時期ですが、それは一人時間の終わりを意味しません。自分のからだを知っている今だからこそ、深められる楽しみ方があります。このページでは、研究で分かっていることと、まだ分かっていないことを分けながら、これからの道を案内します。

よく来たね。からだが変わるのは、道が次の段に進んだということなんだ。前と同じやり方にこだわらず、今のあなたに合うやり方を一緒に探してみよう。

年齢とともに変わること

閉経の前後の数年間を、更年期といいます。この時期に、卵巣から出る女性ホルモン(エストロゲン)が大きく減ります。閉経のあとは、女性ホルモンがほとんど出なくなります。そのため、腟や、その入り口のまわり(外陰部)の、表面をおおうやわらかい膜(粘膜)が、薄く弱くなっていきます(日本産婦人科医会)。

こうした変化で、腟の乾燥、ひりひりする感じ、性交のときの痛み、尿が近いといった症状が起きます。これらをまとめて、閉経にともなう腟や尿の症状(閉経関連泌尿生殖器症候群、GSM)と呼びます。北米閉経学会の2020年の見解では、閉経後の女性の約27〜84%にGSMがあるとされています。そして、見過ごされやすく、治療されないままのことが多いと指摘されています(Faubion ら, 2020)。

Faubion ら(2020)で分かること:GSMはとてもよくある状態で、対処の方法があること。限界:これは研究をまとめた専門家の意見です。割合の幅が広いのは、もとになった調査ごとに、対象や、どこからをGSMとするかの決め方が違うためです。

感じ方も変わります。うるおうまでに時間がかかる、刺激への感じ方が変わる、オーガズムまでが遠くなる、と感じる人もいます。アメリカの50代後半から80代の男女3,005人を調べた研究があります。性的な活動をしている女性の39%がうるおいの悩みを、34%がオーガズムに達しにくい悩みを挙げていました。一方で、この1年にオナニーをした女性は、50代後半から60代前半で約32%、70代後半から80代でも約16%いました(Lindau ら, 2007)。年齢を重ねても、一人時間は続いているということです。

この1年にオナニーをした女性50代後半〜60代前半約32%70代後半〜80代約16%
出典:Lindau ら(2007)。アメリカの50代後半から80代の男女3,005人。本人が答えた調査です。
からだの底のハンモックおしりの下で、内臓を下から支えている筋肉です 筋肉のハンモック(骨盤底筋) おしっこの出口(尿道) 腟(女性)(腟) おしりの穴(肛門) 骨盤(骨)(骨盤)
女性は3つ、男性は2つ(おしっこの出口とおしりの穴)の通り道が、このハンモックを通っています。医療の資料をもとに、かんたんにして描いた図です。

年齢を重ねても楽しめる、と示す研究

アメリカの20代後半から80代の女性2,116人を調べた研究があります。性的な活動をしている女性の満足度は、年齢とは関係が見られませんでした。満足度と結びついていたのは、パートナーとの関係への満足や、性を大切に思う気持ちでした(Thomas ら, 2015)。

Thomas ら(2015)で分かること:年齢が上がっても、性の満足度が下がるとは限らないこと。限界:ある時点で1回調べた研究で、パートナーとの性についての調査です。一人時間の満足度そのものを調べたわけではありません。

年を重ねると、自分のからだのことがよく分かるようになる。何が心地よく、何が苦手か。その知識こそが、あなたの道を深める一番の味方なんだ。

楽しみ方を深める工夫

定期的な性的な活動と、腟の健康

閉経後の女性52人を調べた古い研究があります。月に3回以上性交をしている女性は、年に10回未満の女性に比べて、腟が薄く弱くなる変化(萎縮)が少なかったと報告されています(Leiblum ら, 1983)。「使うことで血の流れが保たれる」という考え方の根拠として、よく紹介される研究です。

Leiblum ら(1983)で分かること:性的な活動が多い人ほど、腟の萎縮が少ないという「関係」があったこと。限界:人数が少なく、1回だけ調べた研究です。活動が多いから萎縮が少ないのか、萎縮が少ないから活動できているのか、どちらが先かは分かりません。オナニーだけで同じことが言えるかも、確かめられていません。

つまり、「続けていれば腟の健康が保てる」とまでは言えないのが、今の研究の段階です。痛みを我慢して続ける必要はありません。心地よい範囲で楽しみ、つらい症状があれば医療の力を借りるのが、いちばん確かな道です。

受診の目安と、婦人科で相談できること

婦人科や更年期外来では、いろいろな相談ができます。GSMの診察、腟の状態に合った保湿剤やローションの相談、減った女性ホルモンを補う治療(ホルモン補充療法、HRT)や、腟に直接使う女性ホルモンの薬などです。北米閉経学会は、軽い症状には、処方のいらない保湿剤などで足りることが多いとしています。中くらい以上の症状には、腟に使う女性ホルモンの薬などの選び方があるとしています(Faubion ら, 2020)。ホルモンの薬は、乳がんや、血のかたまりができる病気(血栓症)があるかなどをふまえて、医師が判断するものです。処方が必要なので、自分の判断で使わないでください。また、性交痛の背景に、気持ちの面の理由があることもあります。その場合はローションだけでは足りず、カウンセリングが役に立つとされています(日本産婦人科医会)。

体のことを医師に話すのは、少し勇気がいるかもしれない。でも、それは自分を大切にする修行のひとつなんだ。ひとりで抱えず、頼れるところには頼っていこう。

修行のお題 今週は、水が主成分のローションを用意して、いつもより時間をかけ、いちばん弱い刺激から始めてみよう。終わったら、うるおいと心地よさを5段階でメモしておこう。

参考にした資料

📜 オナニー道の心得📓 記録アプリ「修行帳」